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第18回「経営者.マガジン読者の集い」 cado 代表取締役 CEO 古賀宣行様 ご講演 (読む時間:約7分半) 2014.11.29

去る11月18日に第18回「経営者.マガジン読者の集い」を花園飯店にて開催されました。 今回は本誌10月号に登場された多彩なゲスト、読者である企業の代表者たちにご参加頂きました。第一部ではcado 代表取締役CEOの古賀宣行様に【cado:技と美の融合、本格家電への挑戦】というテーマで ご講演頂きました。古賀社長の講演の一部をご紹介します。





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<古賀宣行様profile>


かつて古賀氏は、SONY最大のヒット商品と謳われた「ウォークマン」を開発。

SONYでモノづくりの真髄を学んだ古賀社長、2010年、当時赴任していた中国における開発ユニットの組織改変に伴う帰任命令を契機に起業を決意します。

ある空気清浄機の研究者、そしてあるデザイナー、そしてある中国企業との出逢いが 化学反応をひき起こし、世界最高の「空気清浄機」が誕生することになります。

2012年に誕生した「cado」は技と美の融合で瞬く間に注目のブランドへと躍進。  事業家「古賀宣行社長」にご講演頂きました。


■53歳にしてソニーから独立


2006年にソニーのオーディオチャイナビジネスセンターという組織が深圳に作られました。ソニーのオーディオ事業がなかなか日本で開発するには採算が厳しいという中で事業部を移管することになったのです。テープレコーダー、ウォークマン、ICレコーダー、ラジオ、ラジカセ等のいわゆる一番成熟した商品を深圳のほうにもってきて、商品企画から設計から一貫してやるような事業部を作ることになり、私はそこの責任者として2006年に赴任しました。また上海にソニーチャイナのR&Dの本部があり、ここの責任者を兼務し、上海と深圳を行ったり来たりの生活をしておりました。こうした中で2010年にソニーからの帰任命令が出たのと同時に、これがいいきっかけになると思い、53歳のときに独立を決意しました。


■空気清浄機の権威の方との出会い


私はNHKのクローズアップ現代の取材を受けられた中興精密の総裁、張氏と、十和田オーディオというソニーのラジオを作る会社の社長と偶然にも知り合いで、この2人と一緒に出資をして会社を作ることになり、それぞれの頭文字を取って社名をCTKと決めました。2010年7月に会社を作り、作った時には何をするか全く何も決めないまま独立しました。


そうこうするうちにソニーのOBの方から空気清浄機の権威の大学の先生がいらっしゃるということで、一度会ってみませんという電話をいただきました。それですぐに飛んでいき、会社を設立した翌月の2010年の8月に研究室に行きました。


そのときに先生から、日本の空気清浄機はマイナスイオンを中心としたプロモーションが中心になってしまっているが、本来の空気清浄機の性能をもっともっと追及してほしいというレクチャーを受けました。先生が開発された試作品は、当時最高の性能と言われていた大手の製品とは比べ物にならないほどの性能を実現できており、私はこの説明を受けたときに後発としてこれからやっていくにあたって空気清浄機であればまだ開発の余地はあると直感し、空気清浄機の開発をすることを決意しました。


■1号機発売までの試行錯誤


ただ空気清浄機をやっても何か特徴がなければならないということでいろいろ検討しました。結果的にいわゆるUVではなく、日本で開発された可視光に反応する可視光型の光触媒に活性炭にコーティングしたらどうなるのかと考えて、いろいろと試行錯誤しました。


活性炭は吸着力が強いのですが、活性炭の欠点としては寿命が短く、大体2、3か月たてば性能が劣化するという欠点があるので、この寿命をもう少し伸ばせないかということをずっと考えておりました。 そこで光触媒をコーティングすることでLEDを照射し有害な物質を分解でき、再生できるのではないかという発想から実際にコーティングをしてみました。


ところが実際にはなかなかうまくいかず、コーティングすると活性炭そのものの性能自体がガクンと落ちてしまい、使い物にならない状態がずっと続いていました。コーティングの仕方等、試行錯誤しながら進め、最終的には目的としていた、吸着、分解、再生というサイクルを回すことが何とかできるようになり、商品化することができました。これを使って商品化した1号機がプラッシーニという業務用の機械です。


プラッシーには日本、中国で合計3000台出荷されており、性能的にはまずまずと言えると思います。1年間の試行錯誤を通じて空気清浄機がどのようなものか、ポイントが何なのかが分かった次第です。


■デザイナー鈴木健氏との出会い


私はもともとコンシューマー出身なので、コンシューマー向けの開発をしたいと思っておりました。コンシューマー向けの製品を作るにあたってはデザインが大切です。コンシューマー向けでは今のデザインではとてもいけないと感じており、いいデザインを作らないといけないと思っていました。


そのときに偶然知人の紹介で、鈴木健という東芝出身のデザイナーと出会いました。 彼は東芝退職後、amadanaというブランドのデザインを担当していました。彼はデザインをいくら頑張っても性能がついてこないと限界があるという悩みを持っていました。そのような悩みを持つなかで、amadanaを退職し、1人でデザイン会社を立ち上げていた時期でした。


こういった二人が2011年5月に出会い、会った瞬間に意気投合し翌月、エクレア(現CADO) という会社を立ち上げます。私が技術を担当し、鈴木健がデザインを担当するという形でスタートしました。2011年の6月からスタートし、空気清浄の開発をまずやろうということで、2012年12月にCADOの1号機C700を発表しました。


■世界ナンバーワン、オンリーワンのものを


試作品ができたときにヨドバシカメラさんに非常に気に入ってもらい、「ぜひうちで売らせてほしい」と言ってもらえました。そういった関係もあり日本では現状、家電量販店ではヨドバシカメラさんでしか弊社の空気清浄機は取り扱われておりません。ただ、ヨドバシカメラさんのトップの方からは世界ナンバーワンのお墨付きがなければダメと言われました。世界ナンバーワンと言われても空気清浄機の規格には世界標準がないため悩んだのですが、規格が厳格に運用されていると言われている、アメリカの家電製品協会(AHAN)のお墨付きを取ろうと尽力しました。
それが実現し、ようやくヨドバシカメラ20店舗一斉導入することができました。


CADR(クリーンエア供給率)はアメリカ家電製品協会で決めた空気清浄機の集塵性能を測る国際的な基準となっています。たばこと埃と花粉、この3つの項目で測定をします。この規格は本当に厳格で毎年抜き打ち検査をされ、結果が悪いと通告が来ます。誰でも見られるようにHPで公開もされています。


CADRで最高得点を取っているブランドが4つありますが、我々はそのうちの1社Blueairを目標としました。Blueairはスウェーデンの空気清浄機専門の会社で、シンプルな設計で空気清浄機の開発に非常にまじめに取り組んでいる会社です。我々はBlueairに追いつけ追い越せということで日々勤しみ、臭いも埃も取れるという面でついにCADRナンバーワンを達成し、Blueairに追いつけ追い越せという目標をなんとか達成できたのではないかと考えています。


これで空気清浄機は世界ナンバーワンというお墨付きをもらうことができ、今では車用を始めとするさまざまなラインアップを揃えることができています。


■モノづくりへの想い


私はモノを作る上で大事にしている考えが2つあります。 1つは「Small is beautiful」という考え方です。


ウォークマンを開発した際には、5,6人で1チームを構成していました。当時は他社よりも1ミリでも薄く、1グラムでも軽い製品を開発するという戦いの中で、メカと電気の担当者が一体になって開発をしていました。例えば自分でデザインをし、材料を取り入れて、加工をし、組み立てをして、ニスを塗り、顧客に売るという職人がいれば、当然顧客からの反応を基に成功したかどうかを判断することができます。


当時のウォークマンはまさにこのような感じで開発をしていました。


しかし会社を辞めるきっかけにもなったのですが、商品がどんどん変わりソフトウェアの比重が増えていく中で、開発人数も大人数になり、ある意味仕方がないことですが、分業化が始まりました。そうすると、例えば椅子の脚だけを作る職人が出てくると思いますが、その人の目標は次工程の座面にフィットさせることだけが目標になってしまい、顧客の顔がなかなか見えづらくなってしまいます。多くの大企業はこのような分業化の弊害で苦労をしていると思います。自分の事業部だけで決められず、全体の責任をなかなか取れなくなってしまっているのではないでしょうか。私は「Small is beautiful」を実践したくて起業したので、分業は仕方がありませんが、分業しながらもお客様の顔が見ることができるようにしながらの開発を目指しています。


もう1つは高速経営です。我々は商品企画、設計、製造、営業を行いますが、これをいかに高速で回すかが大事だと思います。高速で回らない会社でよくあるのは、部門間がスムーズに流れず、部分最適に重点が置かれてしまい、全体最適がはかれないというものです。大切なのはリーダーが強いリーダーシップを取り、意思の疎通をあっという間にはかることだと思います。


■CADOのこれから


弊社の開発部隊はそれほど多くなく、コアでやっている人間は片手で数えられるくらいですが、3年間で多くの製品を出せたと思っています。これからもっとCADOを進化させていきたいですが、技術と美を融合させることに加え、モノを作る上でのこだわりや情熱といった人間の心を込めてモノを作ることを一番大切にしたいです。その結果世の中の方々に感動を与えられたらなと思い、開発をしている次第です。


今後は中国の環境汚染を改善するために、空気清浄機の次は本格的なウォーターサーバーを作り、安心して美味しい水が飲める環境を提供したいと思っています。


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