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博物館 【上海の街角で 井上邦久】vol21 (読む時間:約3分半) 2016.07.25


 短い春と秋の間の可愛げのない猛暑、熱が身体に籠ったら苦瓜(ゴーヤ)を食べなさいと上海オフィスの複数のスタッフから言われたことを思い出します。そんな夏によく足を運んだのは南京西路が昔の競馬場のコーナーに沿って湾曲したあたり、時計台が目印の建物でした。欧州人が設計して、租界地に住む外国人がメンバーの中心を占めていた上海レース倶楽部があった場所でして、そのよすがを欄干に馬の頭部を配した階段などに見つけられます。博物館や図書館が移設されたあとに、美術館として2012年末まで使用されていました。天井の高い石造りの室内は、静かで涼しく広々としていました。無料の絵画展を見る時間より、ミュージアムショップで有料の画集や記念品を探す時間が長く、更に最上階の5階のレストラン「K’s 5」(Kathleen’s 5)のテラスで人民公園の緑や浦東の高層ビルを眺める時間がもっと長かったです。2010年頃まではブランチ目当ての欧米系の客が目立つくらいで概ね空いていて、ドラマや映画の撮影を目にしたことも懐かしく感じます。


美術館があった場所からほど近い上海博物館は「鼎」を模した重厚な建物として1996年に完成し、外灘に向かう高架道路からは左手にその威容が見えます。ただ、開館前の早朝から長蛇の行列ができるので炎天下の夏には不向きです。上海博物館は1952年の創設の後、現在の立派な建物に収まるまで移転を重ねており、1980年初頭に古風な建物に入っていた頃によく訪ねました。日系企業のオフィスが上海大廈や聯誼大廈にあった頃で、和平賓館にも宿泊できた、のんびりした時代のことです。アテンドや商談への登板間隔もゆったりしていて、空いた時間の街歩きに博物館は手ごろな場所でした。来館者も少なく、展示品も限定的で、たゆとう時間を眺めるような空間でした。或る日、ずいぶん展示がすっきりと整理されていて、既視感覚に陥ったことがあります。しばらくして、大阪中之島の東洋陶磁美術館の展示との共通点が多いことに気付きました。たぶん、かなりの高い確率で両館の提携が順調になされていたことの証明でしょう。大阪と上海が友好都市であり、友好都市ということに意義と効果があったとされる時代でもありました。


当時、中国の工場見学に行くと工場長から専門性に乏しい新米商社員も含めた日本からの訪問者に対して「先輩たちに学びたいので、参観を通しての貴重な意見を聴かせてください」という言葉が必ず発せられたものです。妙にくすぐったい気分にさせられましたが、日中双方とも大真面目でしたので、逐語訳で正確な通訳に努めました。
その頃、記念品売り場で買った唐代の女人陶俑(女子十二楽坊のように、各種楽器を手にしたシリーズ)のレプリカは今も日本の留守宅の下駄箱の上にあります。美術カードも含めて、とても割安だった印象があります。売る方も買う方も、1970年代末から提唱された「社会主義市場経済」に不慣れだった兌換券の時代でした。


上海博物館は北京故宮博物館、南京博物館とともに三大博物館と称される事もあるようですが、その場合、台湾の故宮博物院のことは別格にしているのでしょうか?因みに故宮博物院は、昨年末に嘉義市に南院が新設されたので、台北市のものは北院と称されるようになっています。


その北院は6月末の時点では劇的に静かになっていました。入場料を払って進んで直ぐの処に「請輕聲細語(Please keep your voice low)」という看板がありましたが、その看板目的の対象者の行列もなく劇的に減っていました。加えて、嘉義市の南院の目玉として団体客に人気のある「翠玉白菜」が南院に出張展示されているので、北院は余計に静かであったのでしょう。台北の故宮博物院で宋朝の青磁・白磁の粋を静かに、ゆっくり眺めるには今を措いて無いようですよ、とお伝えしたら、大阪の老舗画廊のK社長から以下のような返信を頂戴しました。


・・・今年12月 東洋陶磁美術館にて「北宋汝窯 台北故宮博物院 青磁 水仙盆」という展覧会が開催されます。東洋陶磁美術館の所蔵品も含めて、世界に6点しか存在しない「青磁 水仙盆」の展覧会です。故宮のリニューアルオープンの展覧会も汝窯の展示が一本の柱でした。
今回の東洋陶磁の企画も素晴らしいものと思われます。12.月10日から3月26日の期間と聞いております。ご来阪の折 お時間があれば、ご覧ください・・・


12月の大阪開催まで待ち遠しい向きには、陳舜臣の直木賞受賞作『青玉獅子香炉』を読みながら、台湾にたどり着くまでの故宮秘宝の変遷をたどることは如何でしょうか?苦瓜を食べなくても暑気払いができるような内容だと思います。(了)


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