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ファーウェイ社長が語る「稲盛和夫のすごさ」【中国ニュース 2015年10月10日 】 2015.10.10

中国経済の成長率は二桁から一桁に落ち、不景気により伝統産業は大きな打撃を受けている。これに対応するために企業は製品のアップグレードや刷新とという大きな難題に直面している。「インターネット+」の誘惑を受けて、何度も資金とマンパワーを投入したが、モバイルインターネットの波に乗りきれなかった企業もある。不景気の中で、企業家たちはどのように経営をすればいいのかを知らずにいる。

 

苦境に陥った企業は一体どうすべきなのか。最近、企業家たちはこの問題を話題にし続けている。こうした状況の中で私は華為(ファーウェイ)の社長である任正非氏との初めての対談を思い出した。

 

それは2年前のことだ。任氏は私をお茶に誘ってくれた。私たちはそのとき、稲盛和夫氏について語った。

「今、稲盛哲学ブームが起きていますが、ある企業家は社員に稲盛哲学を学ばせ、仕事への意欲を促すことで潜在力を掘り起こし、費用を節約しようとしています。人々は稲盛氏の道具と技術には注目していますが、彼の持つ深い「無名の素朴さ」には注目していません。人々はなぜファインセラミックスの製作者が世界トップ500の企業を3つも生み出すという奇跡を起こしたのかについては考えていないのです」

私がこう語っている途中で任氏は話しを遮った。「王さん、あなたは稲盛和夫を分かってない!」

私は一瞬ぽかんとしたが、すぐに笑顔で問いかけた。「任社長、私のどこが間違っているのですか?」

任氏は言った。「あなたは『ファインセラミックスの製作者』と言いましたが、軽く言いすぎです。稲盛氏が作るファインセラミックスはエレクトロニックセラミックスなどの機能セラミックスであり、精密医療機器と電子回路の核心となるパーツなのです。セラミックスを作っているところはたくさんありますが、世界中で京セラの物が最高です。京セラは新材料革命を引き起こし、通信業とITの発展を大きく促したのです。彼らは十年一日のごとく技術を磨き、世界ナンバーワンになりました。私たちはただそれを追っているだけなのです。ファーウェイには世界の一流の数学者がいますが、京セラには世界の一流の科学者と物理学者がいます。彼には追いつけません!」

 

目が覚めたように感じた。任氏と稲盛氏はどちらも大勢に従う人ではない。彼らにはそれぞれの分野があり、現場で努力して結果を出しているのだ。彼らはすべての精神、理念、アイデア、創意を製品に盛り込んでこそ、自分たちが存在できるのだということを最もよく知っている。

 

企業家は空想を語らない。社会の変革を促すのは、彼らの思想ではなく、彼らの優れた製品なのだ。極めて優れた製品を作る過程において、精神と価値が生み出される。本当の企業家はただ全身全霊、全力で唯一無二の製品を生み出すことが活路であるということを知っている。彼らは言葉を軽んじ、製品を磨き上げる一瞬を重視する。それは原点でもあり、到達点でもある。それを怠る人はただ外面に注目しているだけだ。結局、製品から離れてしまっては、すべての説法はただの説法に過ぎないものになる。口先だけで熟練がないならば、それは嘘つきだ。任氏の話しからは学ぶものが多かった。これは彼の方法論であり、彼の知行合一の道である。

 

人は技によって身を立て、企業は良い製品で高収益を実現する。人とはもともと独自の技術であり、企業は独自の客体である。哲学、心法、理念、すべては一人あるいは組織が技術と良い製品を鍛え上げるための宝である。この宝は技術と製品という実際の物から離れてしまえば、何の意味も無くなる。知行が合一していなければ道はない。ただそのやり方を真似るだけでは、ざるで水をすくうようなものである。企業人が世界の変革を促すのは、極めて良い製品を通してであって、思想によってではない。

 

任氏からの喝で、私には自分自身と多くの人間のことが分かってきた。

 

まずは企業への認識だ。企業というものはひとつの家なのか、あるいは戦闘集団なのか?この二つの組織には全く異なる運営方法がある。もし企業を家族としたいならば、社員がいかに怠けていようと、家の一員であのだからクビにすることはできない。しかし怠惰だったり、あるいは揉め事を起こすような社員に対処しなければ真面目な社員をも傷つけてしまう。こうした問題が多ければ、チームに競争力を期待できるだろうか。企業は成果を求める戦闘集団である。すべての顧客に対して最終的に責任を負う。もしこの最初にして最終的な標準を見失えば、企業はきっとうまくいかないだろう。

 

次に、私は今の「国学熱」の裏の疲労と軟弱さを知った。誰もが人としての本質について語るが、有効な技術については気にしていない。国学を語ることであなたも私も良くはなるだろうが、顧客に対しては申し訳がない。それでは最終的に自分の存在価値も失ってしまう。ファーウェイは「お客様中心」をすべての決定の最終的な標準としている。リビア駐在の首席代表である夏尊氏は、リビア戦争の時、ファーウェイの社員たちは装備を背に前線に進み、設備を修理したというエピソードを挙げて、「ファーウェイの社員は業務のことだけを考えている。業務はまるで麻薬のように私たちを駆り立てるのだ」と語っている。

 

企業家の中にはお金や会社の規模のことしか考えていないのに、口からは仁義道徳を語る人がいる。以前はこのような人をどう言い表せばいいのか分からなかった。任氏はこのような人を「偽君子」、つまり嘘つきだとシンプルに表現した。企業家の本領は社員を率いて良い製品を作ることであり、技術を大衆のために役立てることである。良い製品、技術もなく、口先だけで大衆に媚びることは道にそぐわない。本質を失い、見ない振りをしていても、実際には誰もがよくわかっている。

 

任氏の思想には衝撃力がある。これは中国の知行合一という思想の伝承である。あなたは本当に技術があるだろうか。本当に唯一無二の人物になりたいのだろうか。ならば、自らの根本をしっかり守り、技を持つ自分をしっかり守ってこそ、魂のある技術が生み出される。ただ、人間はあまりにも怠惰で、あまりにあまのじゃくで、あまりに快適だからと勇猛に進むことを望まない。そして結果として怠惰なまま、初心と最終目的を忘れてしまう。

技を持つ製品を革新し続けることなく、ただ怠惰にその組織に奴役している状態なのだとしたら、組織の死はもうすぐそこだ。

 

http://www.rmlt.com.cn/2015/0928/403680_2.shtml

 

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