新規登録
インタビューに掲載ご希望の方
日経新聞
DMMコラム
蘇州たより
上海の街角で
JETRO
上海日本商工クラブ
在上海日本国総領事館
ラクト
上海人
香港リーダーズ
C.L.Mリーダーズ
経営者.マガジン読者の集い
2015稲盛和夫経営哲学上海報告会
中国ニュース
株式会社TOHOKI
人気ページランキング
  • 今週
  • 今月
  • 殿堂
  • JBSコラム Vol.3

  • 会計税務、人事労務、法務、健康、教育等、会社の進出から撤退までをワンストップで支援。

  • 上海リーグ法律事務所 コラム vol2

  • ビジネスシーンで活用する中国語講座vol4

  • 知的財産権の取得・侵害対策、企業内不正対応を中心に、中国での企業活動をワンストップで支援。

  • JBSコラム Vol.3

  • ビジネスシーンで活用する中国語講座vol4

  • 知的財産権の取得・侵害対策、企業内不正対応を中心に、中国での企業活動をワンストップで支援。

  • 上海リーグ法律事務所 コラム vol2

  • 会計税務、人事労務、法務、健康、教育等、会社の進出から撤退までをワンストップで支援。

  • “One Team, No Border” 会計税務を中心に企業のグローバル化を全力で支援しております。

  • ビジネスシーンで活用する中国語講座 vol.8

  • 微博・微信を中心とする中国ソーシャルソリューションサービスをワンストップで提供しています。

  • 会計税務、人事労務、法務、健康、教育等、会社の進出から撤退までをワンストップで支援。

  • リスク管理領域を中心に日系企業の中国事業を支援させて頂きます。

メーカーのリーダー 全てを見る

2016.09.07
  • 「誠実さ」を体現した食品を。3代目を迎える食品メーカー
  • 株式会社 浜乙女 取締役 
  • 服部 正樹
浜乙女は名古屋を中心に全国展開する食品加工メーカーだ。地元ではのり製品の知名度が高く、その他 地域では「いりごま」、「すりごま」などのごま製品の知名度が高い。また、ふりかけやパン粉も製造しており、その品数は500アイテム以上、これにプライベートブランドや受注商品を加えると1000アイテムを製造している。またスーパー、寿司屋などの店舗経営、不動産業も営んでいる多角的な企業でもある。この浜乙女の3代目である服部正樹氏にお話をうかがった。
  • 株式会社 浜乙女
  • 住所 / 名古屋市中村区名取四丁目16番26号
  • TEL / (052)582-5551   
  • URL / www.hamaotome.co.jp

会員登録を行いますとリーダーへお問い合わせできます。


■ 創業70年、常に革新を続ける食品メーカー


浜乙女の創業は1946年、のり問屋からのスタートだった。今年70周年を迎える浜乙女だが、その誇りは経営年数の長さではなく、常に革新を重ねてきたことにある。のりの需要も70年前と今ではかなり変化している。現在ののり消費量のトップは、1946年には存在しなかったコンビニエンスストアのおにぎりによるものだという。家庭で作るおにぎりも変化している。浜乙女ではおにぎり用サイズの塩付きのりを販売していたが、昨年には「おにぎらず」がヒットしたこともあり、全形のおにぎらず用塩付きのりを販売した。このように常に食品市場、食文化の変化の中で新たな提案を続けてきたことが、浜乙女の誇りなのだ。


■ 後発として「他とは異なるもの」を目指す


浜乙女の塩付のりは塩味の味付けのりとは異なり、塩の粒がのりに直接付着するタイプだ。塩を直接のりに振るという工程は、機械へのリスクが高い。だが、舌に直接塩が触れたほうが旨味があり、圧倒的に美味しいと考えたため、このようなスタイルとした。「浜乙女は最大手のメーカーではありませんが、最大手がやらない、やりづらい製品をラインナップするメーカーとして、昔から他とは異なるものを作ろうとしています」と服部氏は語る。
日本の有名な海苔メーカーといえば山本山、山本海苔店などが挙げられるが、いずれも江戸時代創業の老舗企業である。だから戦後に創業した浜乙女は創業70年とはいえ後発ということになる。これらの老舗メーカーへの対抗手段は住み分けだ。老舗メーカーはギフト用メインののり屋として確立しているが、浜乙女はスーパーを中心に卸すメーカーという立ち位置をとっている。これも「他とは異なるもの」を選んだ結果だろう。だが値段が安いからといって質まで落ちるかというとそうではない。「やはりおいしい原料となるとそれなりのお値段がしますが、素材の持っているポテンシャルが一番大事ですのでそこを一番大事に、美味しいものを提供していこうと考えています」と服部氏は語る。


■ 中国に「ふりかけ」を広める


中国には2014年にオープンしたユニーグループの店舗「アピタ(APITA)」に合わせて進出している。ユニーは名古屋を地盤にスーパーなどの大型小売店舗を経営する企業で、浜乙女は長くこの企業と良い関係を結んできた。上海への同時進出はユニーを応援する意味も込められている。
中国ではすでに安価でのりが販売されていることもあり、浜乙女は中国で「ふりかけ」を販売しようと試みている。日本ではポピュラーな食品だが、中国ではふりかけという存在に対する認識がないため、食品売り場でふりかけを探す人はいない。だからまずはふりかけを知ってもらうことから始めなければならない。そこでまずは弁当屋、高速鉄道の食堂、機内食、学校の食堂などで認識を広め、それからスーパーで探してもらえるようにしたいと考えている。すでに中国の何ヶ所かでふりかけの試食を行っているが、評判はいい。特に日本と味覚が似ている福建省、広東省では好感触を得ているが、四川などの味の好みが日本人と合わないエリアもあり、今後は地方ごとに味を考えていかねばならないだろう。現在、中国では上海のアピタで浜乙女の商品が販売されている。


3代が積み重ねてきた企業経営


浜乙女はもともと服部氏の祖父の代の兄弟3人が協力して創業した会社で、服部氏は祖父の働く姿を目にしながら育った。「当時はのりと椎茸の商売をやっていたのですが、この2つは名古屋からは遠い佐賀や大分などの原産地で入札しないと買えません。しかものりと椎茸は時期がずれているので、のりの仕入れが終わったら椎茸、椎茸が終わったらのりという感じで、祖父は仕入れに奔走して年中家にいませんでした。そういう姿を見て、小さい頃からいつかは自分も祖父のように仕事をするつもりでいたと思います」という。
祖父を含めた兄弟3人にそれぞれの跡継ぎがいるため、現在は3代目が3人いることになる。社長は誰が継ぐのかはまだ決まっていない。服部氏は学業を終えた後、事業においても関わりのある有名な名古屋地場のラーメン店「寿がきや」のカップラーメン部門の営業職として3年間修業を積み、その後、浜乙女の工場長の下で学んだ。服部氏が現在工場長を勤める工場以外にもう一つの工場があるが、この2つの工場と営業を3人の3代目が分担して会社を運営している。
経営判断に関して現会長を務める服部友久氏が幾度も繰り返す話がある。以前、浜乙女は安価な商品を生産している時期があったが、それらを一気に切り捨てたことがあった。安い商品は売りやすいこともあり、営業からの反対意見は多かった。だがその経営判断は正しかったと、服部友久氏は当時を振り返る。安い商品群を止めれば、一時期は売上が減るだろう。だが服部友久氏は値段ではなく品質を追求するという経営判断を行ったのだ。服部氏は服部友久氏の意思を受け継いでいきたいと、語っている。


■ 買う身になって商品を生産する


浜乙女の社訓は「誠実、親和、努力」、経営理念は「買う身になって商品を生産・販売し食卓に満足と笑顔を届けよう」だ。
浜乙女の工場には女性スタッフが多い。仕事を離れれば家庭の主婦であり、浜乙女の商品のターゲットとなる人々だ。彼らが「買う身になって商品を生産」を担っている。服部氏が現在工場長を勤めているのはのりの工場だ。生産ラインには時々、少しだけ破れていたり、ちょっと小さな穴が開いているような、気にしない人もいるような合格とするかどうか判断の難しいのりが流れてくることもある。それを取り除くかどうかをスタッフに聞かれる時、服部氏は「自分が買っていいと思うならばいいよ」と答えて消費者である自分を思い出してもらう。もし自分が購入するのだったらできれば完璧なものが欲しい。だからそのちょっとした問題のあるのりはラインから取り除かれることが多い。「買う身になって考えなさいといえば自ずと答えは出てくる」のだと、服部氏は語る。


社訓「誠実、親和、努力」の中でも「会社の判断基準は『誠実』、それだけで動いていると言ってもいいんじゃないかと思います」と語るように、特に服部氏が重視しているのは「誠実」さだ。様々な商品の資材スペックについても、他の会社との比較ではなく、「自らが誠実であると思う基準」を守って製品を作り続けている。法定基準ギリギリというラインで作っている商品はないので、外部で食品問題が起きた時にも落ち着いて静観することができる。誠実に物を作り、安心して食べてもらい、喜んでもらう。「口に入る食品ですから、行き着くところはそこしかないと思います」と服部氏は当たり前のように語る。
食品はどの産地のものを作っても見た目はそれほど変わらない。食品偽装問題などが起こると、消費者は何を信用したら良いのかわからなくなってしまう。だからこそ消費者に信じてもらえるようにするための、誠実さがカギとなるのだ。


■ 100年へ向けての挑戦


浜乙女は創業70年、あと30年で100年を迎える。100年に手が届きそうな今、これからの挑戦について尋ねると「今より美味しいもの、お求めやすい価格を追求していく」と服部氏は答えた。現在、一部エリアでは押しも押されぬ存在とはいえ、誰もが知っている日本全国区とは言いがたい状態であるが、「より美味しいもの、お求めやすい価格」を追求していくことで国内での認知度を高めていきたいのだという。もちろんこれは国内のみではなく、海外へ向けてもそうだ。
もともと浜乙女はスーパーや衣料店、不動産など、様々な分野への進出も戸惑わない、チャレンジする気質のある企業だ。それは食品に関しても現れており、今後手を広げていきたいものとして、チアシードやエゴマといった、最近話題となっている新しい食材「スーパーフード」をあげる。
中国への進出についてはすでに幾つかのOEMの誘いは受けているのだという、「浜乙女は安いものづくりを得意としない会社なので、誠実というところを全面に出していきたいと思っています。その点を理解できる方と取引させていただけたらと思います」という揺るがぬ「誠実」であることへの決意を示した。


「会員登録」をして、続きをご覧ください。

合わせて読みたい