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2016.06.08
  • 日本の長寿企業を支える3つの条件とは何か
  • 拓殖大学 国際学部教授
  • 野村 進
野村氏の著書に『千年、働いてきました』という、長寿企業に取材したルポルタージュがある。この書籍は2011年に簡体字版『一千年的志气:永不衰竭的企業競争力』が発行されている他、韓国語、繁体字版も刊行されており、広くアジアで読まれたベストセラーである。2014年11月に開催され、野村氏が基調講演を行った「ファミリービジネス研究コンソーシアム」のアジア太平洋大会にもこの書籍を手にしたシンガポール人が参加しており、サインを求められたのだという。日本国内のみならず関心が広がっている長寿企業、その長寿の秘訣について野村氏からお話をうかがった。
  • 拓殖大学 八王子国際キャンパス
  • 住所 / 東京都八王子市館町815-1
  • TEL / (042)665-6719   FAX / (042)665-1516
  • URL / http://www.takushoku-u.ac.jp/

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■ 「アジアから発信できる価値観」を探して


野村氏は現在、日本の拓殖大学で教授として教鞭をとっているが、それ以前はアジアをフィールドに活躍していたジャーナリストだった。ジャーナリストへの道を歩み始めたきっかけは、フィリピンへの留学だ。
1978年、野村氏が足を踏み入れた時代のフィリピンは独裁政権下にあり、フィリピン共産党と新人民軍が反政府運動を行っていた。野村氏は偶然にもフィリピン共産党の活動家宅に下宿することとなり、その縁でルソン島のゲリラ活動地帯に滞在して取材を行うことになった。当時、外国人でフィリピンの反政府活動地に滞在した人物は野村氏の他にはおらず、上梓した『フィピリン新人民軍従軍記』は話題となった。その後、野村氏は大学を辞めて、アジアを中心に活躍するジャーナリストとなる。
野村氏はジャーナリストとして活躍する中で「アジアは何を発信できるのか」を自らが追い求めるテーマとしていた。西洋からは民主主義や人権、自由といった価値観が世界に発信されてきた。ならばアジアから世界に向けて発信できるものは何なのか。
アジアは1980年代半ば頃から「アジアの世紀」という言葉とともに世界から注目されていく。だが、発展する経済と相反するように、精神は荒廃していくように野村氏には見えた。また大気汚染の問題にしても日本が過去に経験したことが、より誇張した形で起きていく。なぜ先例に学ばないのか。拝金主義の侵食は止まらないのか。次第にアジアの良さが削り取られていくようで、野村氏は失望を感じていた。その頃に知ったのが日本の長寿企業という存在だ。


■ 先進分野に生きる長寿企業


きっかけは世界一歴史の長い企業、金剛組を報じた1本の記事だった。金剛組は578年創業、これまでに1000年以上の歴史を刻んでいる。しかも日本は世界でも突出して長寿企業が多く、その数は少なくとも2万社以上あるのだという。それを予想外に感じた野村氏は日本の長寿企業を調べ始める。すると意外なことがわかった。一般的に日本で長寿企業といえば、伝統的な和菓子や和服などが想起されるが、実際には携帯電話やパソコンのプリンターなどの先進分野で活躍している企業が多かったのだ。野村氏は長寿企業が時代とともにどのように姿を変えるのかに興味を持った。
アジアから発信できるものを探してアジアを巡り続けていた野村氏が、自らの足元である日本で見出した長寿企業という価値観。これこそがアジアから世界に発信できるものではないか。野村氏はそう考え、長寿企業に関する取材を開始する。


■ 長寿企業が守る本業主義、拡大への警戒


野村氏が取材対象としたのは、時代に合わせて本業の形を変えていくスタイルの長寿企業だ。本業を変えるとは言っても、例えば食品業を不動産業に変えるようなことはなく、電球の白金フィラメントを扱っていた貴金属企業が携帯電話に使用する貴金属を取り扱うようになるというように、あくまで根本となる貴金属という根っこの部分は変えない。野村氏が取材してきた長寿企業には共通した特徴が見受けられるが、そのひとつがこの「本業重視」だった。
家訓や社訓を有することも共通項のひとつだ。様々な家訓や社訓を見ていく中で度々見かけるのは「分相応」「分をわきまえよ」という内容だった。野村氏は初め、これを創業期における身分制社会の名残だと思っていたのだが、取材を続けていくうちにそうではないと思うようになった。
家訓や社訓は2代目や3代目に引き継がれるときに作られることが多い。すでに次代に引き継がれるほど長期にわたって継続している企業の周囲では多数の企業が潰れていっていたはずだ。当然、なぜ周囲の企業が潰れていくのかを考えるだろう。そこで倒産の原因として見出したのが、株や土地につぎ込んだりと分をわきまえずに手を広げていったこと、つまり拡大への危機感だったのではないだろうか。ビジネスを安易に広げることへの警戒、それが「分をわきまえる」ことを重視するようになった理由なのではないかと野村氏は考えたのだ。
例えばとある企業には社員の数を増やすことを戒める社訓がある。会社には調子のいい時もあればそうでない時もある。調子がいい時は良いが、悪くなれば社員を切らねばならなくなる。そうしたトラブルを避けるために生み出されたのが、この言葉だったのだろう。
野村氏が長寿企業に取材をお願いする時、「そっとしておいてください」と言われて断られることがあるのだという。大きく宣伝することも、賞賛されることも望まず、ただ地道に分をわきまえて事業を続ける。これは西洋の多国籍企業などにはない価値観であり、資本主義という流れへのアンチテーゼと成りうるのではないかと野村氏は感じた。


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